皆様こんにちは。セキュリティエバンジェリストの佐藤です。
2026年、今年もこの季節がやってまいりました!
例年8月といえば、IT業界、特にセキュリティ業界にとって非常に熱いイベントが開催される時期です。その代表格が、米国ラスベガスで開催される「Black Hat」や「DEF CON」です。
本ブログでは、2026年のNVC技術者チームによる米国出張の総集編として、今回参加した3つのイベント「BSides Las Vegas 2026」「Black Hat USA 2026」「DEF CON 34」の様子をまとめてお届けします。
各イベントの詳細については、それぞれの参加レポートもぜひご覧ください。
・BSides Las Vegas 2026参加報告
・Black Hat USA 2026参加報告
・DEF CON 34参加報告
夏のラスベガスは、世界中のセキュリティ技術者や研究者、ベンダーが集まり、最新の研究や製品、技術トレンドに触れられる刺激の多い場所です。一方で、Black HatやDEF CON、BSidesについて、日本語で現地の様子まで詳しく紹介される機会はまだ限られているように感じます。
本ブログを通じて現地の雰囲気やイベントごとの特徴をお伝えし、来年以降の参加を検討するきっかけになれば幸いです。
夏のラスベガスイベント概要
毎年8月初旬のラスベガスでは、大小さまざまなセキュリティ関連イベントが開催されます。
今回は、その中でも主要な3つのイベント「Black Hat」「DEF CON」「BSides」に参加しました。それぞれ参加者層や雰囲気、扱われるテーマも異なり、同じセキュリティイベントでも違った楽しみ方があります。
Black Hat USA 2026 @ Mandalay Bay Convention Center
今回参加した中では、最も知名度の高い商業イベントです。
世界最大規模の情報セキュリティカンファレンスの一つで、最新のセキュリティ研究が発表されるセッションに加え、多数のセキュリティベンダーが出展するBusiness Hall、技術者向けのTraining、特定テーマに焦点を当てたSummitなどが開催されます。
2026年の開催スケジュール:
8月1日(土)から4日(火):Training
8月4日(火):Summit
8月4日(火)から6日(木):Conference
今年からはイベント4日目の夕方からConferenceが始まる形となり、これまで以上に多くのプログラムが組まれていました。
DEF CON 34 @ Las Vegas Convention Center(LVCC)
世界最大級のハッカーコミュニティイベントです。
世界中のトップハッカーが参加するCTF(Capture The Flag)も開催されており、ここ数年は日本から参加するチームの活躍も目覚ましいことから、Web記事やSNSを通じてDEF CONを知った方も増えているのではないでしょうか。
会場ではテーマごとの「Village」が設けられるほか、セッション、Workshop、Demo Labs、各種コンテストなど、非常に多くのプログラムが開催されます。
2026年の開催スケジュール:
8月6日(木)から9日(日)
BSides Las Vegas 2026 @ The Tuscany Suites & Casino
今回参加した中では比較的小規模なハッカーコミュニティイベントです。
雰囲気としては、DEF CONをよりコンパクトかつマニアックにしたようなイベントで、技術者同士の距離が近いことも特徴です。
セッションだけでなく、長時間のTrainingやWorkshopなども開催されており、最新技術についてじっくり学びたい方には非常に面白いイベントです。
2026年の開催スケジュール:
8月3日(月)から5日(水)
参考:イベント会場の位置関係
ラスベガスで開催される主要イベントは、比較的市内を移動しやすい場所に集まっています。会場によってはトラムやモノレールなどを利用してアクセスすることもできます。
とはいえ、Black Hatの会場であるMandalay Bay Convention CenterからDEF CONの会場であるLas Vegas Convention Centerまでは距離があり、公共交通機関を利用すると移動に1時間ほどかかることもあります。
複数イベントを行き来する場合は、時間を節約するためにUberやタクシーを利用することも視野に入れておくとよいでしょう。
今回の出張総括
3つのイベントを通して、2026年も昨年に引き続き最大のテーマは「AI」だと感じました。
ただし、昨年と比べるとAIの使われ方は一段進んでいます。
2025年にも、生成AIを活用したSOC業務の効率化や脆弱性分析などは数多く見られました。今年はそこからさらに進み、AIエージェントが自ら調査や判断を行い、ツールを利用しながら処理を進めることで、より高度な自動化や効率化を実現する製品や研究が増えています。
一方で、AIエージェントがさまざまなデータやシステムへアクセスし、実際に操作するようになったことで、AIエージェントそのものをどう安全に利用するかという議論も増えていました。
どのような権限を与えるのか、どのデータやツールへのアクセスを許可するのか、MCPやPlugin、Skillsなどをどのように管理するのか。AI活用が進んだからこそ、実際の運用を前提としたセキュリティが求められ始めています。
また、セッションを聴講していて印象的だったのは、AIを利用していること自体がすでに特別ではなくなっていたことです。
「AIを使ってみた」という内容よりも、「AIをどのように組み込んだのか」「実際に利用するとどのような結果になったのか」「そのうえで何に注意すべきなのか」といった、具体的な検証結果や実践的な内容が目立っていました。
2025年がAIやAIエージェントの可能性を模索する段階だったとすれば、2026年は、実際に利用することを前提に、どこまで任せ、どのように安全に利用するのかを考える段階へ進んだ年だったように感じます。
個別イベントサマリー
ここからは、実際に参加した各イベントについても簡単に紹介します。
参加した順番にまとめますが、より詳しい内容については、それぞれの参加レポートをご覧ください。
BSides Las Vegas 2026
イベント初日と、2日目のお昼過ぎまで、セッションを中心に参加しました。
特に印象的だったのは、AIの利用を前提に、組織としてどう活用するか、どのようなリスクを考慮すべきかまで踏み込んだセッションが多かったことです。
技術そのものだけではなく、実際に使った結果から得られた知見や、運用するうえでの課題まで扱われており、昨年以上に具体的な内容を聞くことができました。
また、BSidesの大きな特徴が、講演者と参加者の距離の近さです。
セッションの最後にはQAの時間が設けられることが多く、参加者から積極的に質問が出るだけでなく、そのまま講演者とのディスカッションに発展する場面も見られます。この距離感は、他の大規模イベントにはないBSidesならではの魅力です。
Black Hat USA 2026
3日間のConferenceを通して、Business Hallでのベンダー探索を中心に参加しました。
Business Hallでも出展ベンダーのメッセージは今年も「AI」が中心でしたが、昨年よりも具体的な機能として製品に落とし込まれている印象を受けました。
AIやAIエージェントを製品へ組み込み、脅威やリスクの分析だけでなく、その後の対応や修復まで自動化するという訴求は、多くのブースで共通して見られました。
一方で、組織で利用するAIそのものを守る「Security for AI」の製品は昨年より増えているものの、Business Hall全体ではまだ中心的な存在ではない印象です。
セッションではAIエージェントの安全な利用や権限管理などが大きなテーマになっていることを考えると、製品市場としてはこれから本格的に拡大していく領域なのかもしれません。興味深いソリューションも増えており、今後の広がりにも注目したいところです。
また、今年スタートアップ系のブースを回っていて印象的だったのが、製品UIの完成度です。
これまではアイデアや技術は面白くても、画面やデモ環境にはまだ荒削りな印象が残る製品もありました。今年は設立からそれほど時間が経っていない企業でも、UIやデモ画面が洗練されているケースが増えたように感じます。
Vibe CodingをはじめとしたAIを活用する開発手法が広がり、製品開発そのもののスピードが上がっていることも背景にあるのかもしれません。セキュリティへのAI活用だけでなく、製品を作るスピードや見せ方まで変わってきていることを感じました。
その一方で、以前より営業やマーケティング、経営や投資に関わる参加者が増え、イベントのビジネス色が強くなっている印象もありました。
セキュリティ市場が成長していること自体は歓迎すべき変化ですが、製品について詳しく聞いても技術的な話ができない場面もあり、技術者と直接深い話ができる機会が減っている点は少し残念に感じました。
DEF CON 34
イベント2日目と3日目のお昼過ぎまで、セッションとVillageを中心に参加しました。
Las Vegas Convention Centerへ会場を移してから3年目となる今年は、Villageやセッション会場の配置、案内、移動導線がかなり改善されていました。
昨年までの混雑や移動の大変さを考えると驚くほど快適になっており、現地で話した他の参加者からも同じような声が聞かれました。少し寂しいような、快適になって助かるような、複雑な印象です。
技術面で特に印象的だったのは、AIを実際の攻撃や脆弱性探索に組み込み、その結果や限界を実証した発表が多かったことです。
AIを使えば何ができそうかという理論的な話ではなく、実際にどこまで自動化できたのか、どのような課題が残ったのかまで示されており、非常に興味深く聴講することができました。
また、今年大きく変わったのが会場内の「音」です。
昨年までは至るところでセッションが行われ、会場全体が非常に賑やかな印象でした。今年はセッション用のヘッドホンが用意され、音声が周囲へ広がらないような運営が取り入れられていました。
その結果、Village内の展示やハンズオンも昨年までと比べて静かな環境で体験でき、参加者同士の会話もしやすくなっていたことが印象に残っています。
まとめ
6泊7日の今年の出張報告はいかがでしたでしょうか。
今年のラスベガスは例年ほどの暑さを感じない日もあり、天気が崩れることもあったため、いつもとは少し違った雰囲気の中での滞在となりました。
市内の開発も進んでおり、ショッピングモールなども増え、年々過ごしやすくなっている印象です。2028年にはMLBアスレチックスのホームスタジアムも完成予定とのことで、今後さらに街が変わっていくことにも期待しています。
本ブログを通して、夏のラスベガスで開催されるセキュリティイベントに興味を持っていただけた技術者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ来年以降、現地で交流できることを楽しみにしています!
今回の出張でも強く感じたように、AI活用が進むほど、そのAIを安全に利用するための対策も重要になります。NVCでも、組織におけるAI活用や、その安全な利用を支援するソリューションとして、以下のような製品を取り扱っています。
Cato Networks
従業員による生成AI利用の可視化やデータ保護から、自社開発のAIアプリケーション、AIエージェントのランタイム保護まで、組織のAI活用を幅広くセキュアにします。
Silverfort
AIエージェントを可視化し、MCP Gatewayなどを通じてエージェントの認証や権限を確認しながら、ツールやデータへのアクセスをリアルタイムに制御します。
Cloudbase AI
ブラウザ拡張機能を活用して、従業員のAI利用を可視化し、機密情報の入力をブロックやマスクするとともに、利用ログの確認やポリシー管理を実現します。
Orca Security
AI-SPMによってクラウド上のAIモデルやAI基盤を可視化し、設定不備やデータリスクを把握するとともに、Runtime Securityによって実行時のAIリスクも継続的に検知します。
すでに多くの組織で、AIは業務を支える重要な基盤の一つになりつつあります。
Security for AIについて興味やお悩みがありましたら、ぜひNVCまでご相談ください。今回ご紹介したような海外イベントで得た最新の知見も踏まえながら、皆様の環境や課題に合わせたご提案をさせていただきます。
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